Interview

内定者インタビュー vol.8
理工学研究科修士2年 大鵬薬品工業 MR職内定者

総合商社を初め、他業界の仕事も視野に入れていた。その中でMRに決断した理由とは。

就活の軸とは。自分をぶらさずにいるコツや、リフレッシュの方法。OBOG訪問の重要性についても訊いた。


「自分の専攻分野を生かしたいかどうか分からないのは『十分に向き合っていないから』だと指摘されました」
―現在の研究内容を教えて頂けますか?
外部の研究所で皮膚がんの研究をしています。
―なぜ院に進もうと思われたのですか?
院で、専攻分野の好き嫌いをはっきりさせようと思ったからです。
私は3年次に一度就活を経験したのですが、当時は専攻分野を仕事として活かしたいかすらわからなかったんです。研究室の先生に相談したところ、何がやりたいかわからないのは『大学で学ぶ分野ときちんと向き合っていないからだ』と指摘されました。確かに、学部生は遊びが仕事だと考えていたこともあり(笑)、とことん勉強以外に没頭していたわけです。
そこで、この分野が好きか嫌いかくらいははっきりさせようと決意し、院に進みました。大学から離れ、社会人の一歩手前の外研を選択したのも、「やるならとことんやろう」と思ったからです。
仕事において大切なのは、能力やセンス以上に自分の気持ちだと考えています。
―研究職は考えなかったのですか?
一度は考えましたが、自分には合わないと思いました。
「人生の中で、40年間、研究職を仕事として続ける事ができるだろうか」と考えると、少し違う気がして。仕事のイメージなのですが、もっと相手を感じる事のできる仕事をしたい、とふと感じたんです。
私は仕事において大切なのは、能力やセンスよりも、自分の気持ちだと考えているので、この直感を信じる事にしました。
―「自分の気持ち」とありましたが、就活の軸について具体的に教えてもらえますか?
大きく3つありました。私は仕事を通して「自分の人生をもっと豊かにしたい」という思いがあります。それを達成するために
①多くの人と出会い、関われる仕事
②成果が数字として出る仕事
③人に影響を与えられる仕事
以上の3点を自身の軸として考えていましたね。
総合商社の仕事は、自分でなくてもできる。誰かに直接必要とされる仕事がしたくて、MRの道を選びました。
―3つの軸のもと、どのような業界を受けていたのですか?
製薬業界と総合商社です。
―その2つに絞った理由は?
軸に沿って考えたときに、①と②は比較的どの業界でも叶う事であって、大切なのは③の人に影響を与えられるかどうかだと思うんです。
製薬業界は薬を扱う仕事になるので、他のどの営業よりも人の命に密接に関わる事になり、魅力を感じました。総合商社に興味を持った理由は、影響の範囲が他の業界に比べ圧倒的に広いからですね。
―しかし、最終的にはMRになる道を選びました。その決め手は?
総合商社を受ける中で、これは自分でなくてもできる仕事だと思ったんです。「誰かのためになる仕事につきたい」という強い想いを持つ自分には、人命に携わる事の出来るMRという職業こそがまさに天職だと思い、決断するに至りました。
―「女性MR」になる事に迷いはなかったのですか?
転勤のある仕事ですし、自分の将来を考えると不安はありましたよ。しかし、今この時点で悩んでいることで、自分の仕事への欲望を潰したくはないと思ったんです。ですから、会社を選ぶ際は自分の持つニーズに合うか(例:その会社での女性の働き方など)、といった点もよく見ていました。できるだけ不安は減らす中で、仕事に対する想いは大事にしていましたね。
「インターンの体感型MRワークで、MRが自分の性格や考えに合うと肌で感じました」
―就活中の話に移りますが、業界研究や自己分析等は具体的にどのようにされましたか?
製薬3社のインターンシップに参加しましたし、様々な業界のOBOG訪問も可能な限りしました。
―インターンシップからの収穫はありましたか?
インターンシップの内容の1つに疑似MRとしてミッションをこなすようなプログラムがあったため、MRの仕事内容を身を持って知る事ができました。また、ここでMRという仕事は自分の性格や考えにあっていると肌で感じ、自信を持つことができました。
―OBOG訪問ではどうでしたか?
様々な業界の方から話を伺う中で、自分の考えに対して多くの異なる意見を聴く事ができました。その際、働きたい理由や自己分析、志望理由等をより深堀してもらうことで、面接対策にもなり大変役に立ちました。
行き詰ったとき、自分の気持ちが分からなくなったとき。そんな時こそ人に頼る。
―話を聞いている限り、かなり忙しい日々を過ごしていたように感じます。何かリフレッシュ法はありましたか?
適度なリフレッシュとして、友達や社会人の方々とご飯に出かけていました。食べたいものを食べて、行きたいところに行って、泣きたいときは泣く。とにかく自分探しの時期に余計なストレスを溜めない事が一番だと考えて行動していました。
―うまくリフレッシュをしつつ、就活を進めていたのですね。
そうですね。就活に行き詰ったときや自分の気持ちがよくわからなくなったときは、自分の想いを吐き出して、さらに第三者の意見をインプットする事で、プラスの自分になれると考えていました。
実際に働くイメージを持って就職活動をする
―最後に就活生のみなさんに一言お願いします。
もし今、「どんな仕事をしたいか」がわからず迷っているのなら、就職活動のスタートとしてまずは、「何をしたいか」ではなく「どんな仕事スタンスで働きたいのか」を考えてみてください。
―具体的に、どのように考えるといいのでしょう?
少しオーバーかもしれませんが、私の場合は『同じ人と一つの部屋で一緒に仕事をする』事を想像しました。1日や1週間なら良いのですが、それが40年間続くと考えたら、ちょっと違うかなぁと。もっと外に出て、様々な人と出逢いながら40年間の仕事をしたい、と思ったんです。
―なるほど。想像しやすいですね(笑)。
実際に働いている自分を想像しながら就活を進める事はとても有用です。モチベーションの向上にも繋がりますし、軸をぶらさずにいる事ができると思います。
就活中は思い通りに行かない事もたくさんあると思いますが、一瞬一瞬を全力で、後悔しないように行動してください。そして、最終的に納得いく結果を手にできるよう、頑張ってください。