Interview

内定者インタビュー vol.13
社会学部4年 塩野義製薬 MR職内定者

マスコミ業界に皆が憧れる学部。しかし、彼女はマスコミではなく製薬業界を受けた。多くの文系学生は「広く」見るが、彼女は業界を製薬に絞った。それは、なぜだったのだろうか。


大学に入学した当初は、マスコミ業界で働きたいと思っていました。でも、自分の将来について“本気で”考えてみると、考えが変わったんです。
―大学ではどのような事を学んでいるのですか?
社会学を学んでいます。学科の生徒の多くが将来マスコミ関係に就きたいと思って入るような学科で、私自身も、当時はそう考えていました。
―ということは、マスコミ業界を視野に入れた就職活動をしていた?
いや、大学入学当時はマスコミ関係で働きたいと考えていたのですが、考えるうちに考えが変わりました。それで、製薬業界に絞って就活をしていました。
―考えが変わったというのは、なぜ?そしてどう変わったのですか?
自身の将来について本気で考えたからですね。そのときに 「どんな仕事をしているか」 ではなく 「どんな働き方をしているか」 という観点で、理想が浮かび上がってきたんです。その理想像を考えると、マスコミ業界で働くという夢は妥協しなければいけないと考えました。
―「働き方」の理想とは、どのような理想像ですか?
私としては、女性としての夢(結婚や出産など…)も叶えつつ、働くときはバリバリ働くというのが理想でした。
また、平日と休日の切り替えをはっきりさせて、プライベートも充実させたいと思っていました。
テレビドラマや映画を見るのが趣味なので、休日をゆっくり趣味にあてられたらな、と。
―その理想を叶えるのに、マスコミ業界では難しいと。それはなぜ?
私の考えですが、マスコミとは広い意味で「情報を発信する」ことが主な特徴です。当たり前のことですが、情報には朝も夜も、平日も休日もないのです。加えて、マスコミ業界はかなりの狭き門です。実情を考慮すると、私の理想を叶える上ではあっていないかな、と判断しました。
ざっくり言ってしまうと、好きなことを仕事にしたいという気持ちより、実際に理想の自分を叶えたいという気持ちを優先させたかったのです。
営業ならば、すごいものを売りたい。
―なるほど。それではそこから製薬業界に至った理由は?
文系女子の私ができる事として考えたところ、まず営業だなと思いました。そしてどうせ営業をするならすごいものを売りたいと思ったんです。
―すごいもの、というと?
具体的な業界としては、不動産と製薬業界です。
商品を売ると考えた時に、人の生活に欠かせないもの、そして単価の高いものを売りたい。さらに専門的な知識を必要とする営業がしたいという思いで考えていました。
製薬企業の営業は情報を武器にする営業。そこが実におもしろいと思ったんです
―しかし、最終的に製薬業界に絞った。その理由は?
製薬企業の説明会で「製薬企業の営業、すなわちMRは価格交渉のできない、情報のみを武器にする営業である…。」という言葉にビビッときたからです。学校のある講義で教授が「情報こそ一番価値のあるものだ」と言っていた事を思い出し、お金ではない「情報」を扱う仕事に、“この業界だ”と感じました。
―プライベートを充実、という点ではどうですか?
企業研究を進めるうちに、土日休みや長期休暇もしっかり取れる事がわかったため、私の理想の働き方ができると思いました。この点、不動産業界は基本的に休日に働いて平日に休みがまわってくるので私の理想の働き方とはズレがあり、私の選択肢からはなくなりました。
業界は広くみるべきと言います。ですが「業界を絞る」メリットもあります
―なるほど。しかし、業界を絞る事に不安はありませんでしたか?
「業界は広く見た方がいい」と考える人も多いと思いますが、私は「業界を絞る」メリットもあるという事を理解した方がいいと思っています。業界を広く見ると、どうしても大手企業ばかりに目がいってしまいがちです。しかし、よく学校の就活講座で言われますよね、「中小企業にも目を向けましょう、優良企業はたくさんあります」と。本当にその通りだと思っていて、その点業界を絞れば企業研究が進みますし、中小企業を見つける事もできるわけです。これは「業界を絞る」大きなメリットだと私は思っています。
塩野義製薬を選んだ理由
―それでは話は変わりますが、塩野義製薬を選んだ理由を教えてもらってよいですか?
この会社を選んだ理由としては大きく3つありますね。簡単に説明しますと、
1.他社と比較して患者様目線が強いと感じた事
2.ジェネラリスト制である事
3.就活中に花粉症になりそのときに出された薬が塩野義だった事(笑)
です。
また、実際働いているMRの方の働き方に共感した事も大きな理由となりました。
―患者様目線が他社より強いと感じた点を教えてください。
大きく2点あります。
1点目が、がんの痛みをとる「疼痛」の薬に強いという点です。がんは日本人の死因第一位と言われており、その症状として激しい痛みがあげられます。現在日本ではがんの治療技術は進む一方、痛みを緩和する「疼痛」の分野では遅れていると言われています。そこでシオノギの「疼痛」の薬に共感するとともに、患者様目線が強いと感じました。
2点目が、シオノギの「Dマン」という考え方です。製薬業界の営業が「MR」とよばれる前から、「営業担当者は情報提供を生業とすべし」という思いから営業担当者のことを「ディテールマン」(Dマン)と名付け、業界に先駆けて情報提供に力をいれて活動をしてきたという点に共感しました。
―素晴らしい特徴ですね。話は戻りますが、塩野義を選んだ理由としてあげられているジェネラリスト制とはなんですか?
営業活動のスタイルのことです。シオノギでは多くの患者さんの役に立ちたいという想いから一人のMRが全製品を担当しています。知識を身に付けるための努力が必要ですが、一人のMRがさまざまな領域の情報を提供することが可能となります。多くの患者さんの役に立てることにつながり、自分自身のやりがいへと発展していくと思っています。会社によっては、領域別で営業活動をしていくところもあります。その営業の仕方も、より高度な知識を深く身に付けることができてよいですよね。
―選んだ理由からもうひとつお聞きしたいのですが、「MRの方に共感した」とありましたね。具体的に伺ってもよろしいですか。
お会いしたシオノギMRの方の「目先の目標にとらわれず、営業活動を展開されている」点に、私もあんな風になりたいと思いました。
お会いした際、営業として「情報提供をするのは当たり前」、「ディテール&トレースを徹底する」という話を伺いました。トレースとは、薬の使用後の効果や副作用に関する情報を収集する事です。そして、その後の情報提供活動などに役立てます。「ディテール&トレース」をきちんと行う事で、患者様―ドクター―MRの三角形が出来上がり、患者様とのつながりを実感できるそうです。感覚的なものも大きいかと思いますが、シオノギMRの方に憧れていましたね。
面接中は、話し方や表情など、伝え方が非常に大切です
―それでは就活中の話にうつりますが、振り返ってみてこれは大切だと感じた事はありますか?
面接中は話し方や表情など、伝え方が非常に大切だと思いました。たくさん就活生がいる中で、一人一人体験している事は違うものの、言っている事はほぼ同じような事です。大切なのは、「自分のもっている色」をいかに出せるかだと思います。
―なにか工夫をされていましたか?
就活中のあらゆる場面で、人事の方など話し方がうまい人を見つけたら、真似できるようにとにかく意識して見るようにしていました。
―たしかに大切な事ですね。他に意識していた事はありますか?
あとは、面接の始まりのあいさつは叫ぶように声を張ってしていました(笑)。面接は誰でも緊張してしまうものです。なので、緊張を吹き飛ばすくらいの気持ちで元気に声を出すのはおすすめです。
―それでは就活中に失敗してしまった事はなにかありますか?
面接の時間を一度間違えて遅刻してしまった事がありました。朝一の面接で遅刻してしまい、次の回に入れてもらう事はできたものの、精神的な動揺を一日引きずってしまい、その日の面接が全て終わった後は崩れ落ちそうになるくらい疲れたのを覚えています。
―何か具体的な対策法があれば教えてください。
自分の書いたスケジュールに過信せず、日程が近づいてきたら再度メールを目で見て確認する事をおすすめします。
―確認する事が大切ですね。それでは最後に就活生のみなさんに向けて一言お願いします。
就職活動では、とにかく前向きに動き回る事が大切だと思います。就活中は、不安だったり忙しかったりでどうしても考え方がネガティブになりがちです。しかし、マイナスに物事を考えても何も生まれません。説明会や面接などで予定がびっしりになってしまっても、「新たな学びがある!」くらいポジティブに考える事が就活を楽しく乗り切るうえで大切だと思います。ポジティブに自分の足で動き回って、満足いく結果を得られるよう頑張ってください。