Interview

内定者インタビュー vol.2
医歯学専攻修士 小野薬品工業 開発職内定者

MR職の内々定を経て、開発職へ内定。

一足早い就職活動から学んだこととは。

開発の魅力、開発職に必要なこと。
開発職志望者は必見の内容。

同じことをしていたら、他の学生には勝てないとおもいました
-大学院の研究の内容を教えてもらえますか?
成人T細胞白血病(ATL)の発症メカニズム・自然免疫応答についての研究です。
-製薬業界に近いですね。製薬業界を意識したのはいつ頃でしたか?
もともと薬科大学の四年制学部出身なので、意識はしていましたね。学部3年時点で既に院へ進むことは決めていましたが、一度就活してみました。内容は、業界研究・MRメインでES提出。最終的には開発職に行きたかったんですが、学部4年では製薬メーカーの開発は受けられなかったので、MR職を通して製薬業界についてや就活のノウハウも学びました。
-どんな収穫がありましたか?
開発って募集人数が少なくて競争率高いんです。だから「これまでと同じことをしていたら他の学生に勝てないな」と感じました。対策として、将来のビジョンを考えられるような場(セミナー等)に自腹でいくことにしました。
-自腹というのはまたすごいですね。セミナーというのは、具体的にはどんなもの?
セミナー自体は2つ参加しました。1つ目は「医療イノベーション推進産学官連携人材養成プログラム」というものです。これは、日本発の医療イノベーションを推進するために産学官(産:企業、学:大学アカデミア、官:国)がそれぞれどんな課題を有しているか、それぞれの立場から参加する専門の講師が話をしてくれるものです。半年を通して勉強します。
2つ目は、外部で行われている製薬関連の団体のセミナーです。レギュラトリーサイエンスという言葉に注目し、ワクチン開発、コンパニオン診断薬開発、抗体医薬品・バイオシミラーの品質評価、Drug Repositioningなどを勉強していきました。
開発職志望にとって重要なのは、常に情報をキャッチアップすること
-セミナーでは、何を学びましたか?
製薬業界の変化の激しさですね。製薬業界では、ここ2、3年間で大きな動きが起きています。世界の企業のランキングも変わっている。研究分野の変化、例えば癌から精神疾患へのシフト。バイオ医薬品の台頭。90年代からバイオ医薬品は注目されていましたが、今は上位の売上を占めるくらいメジャーになっています。開発にとっては、常にその情報をキャッチアップすることが大事です。社員さんにはかなわないけれど、学生なりに勉強できることはあります。自分は将来何をやりたいのか、を深めていくことが大事です。そのためのセミナーです。製薬のセミナーに参加し、最新の市場の研究をすると、説明会で質問ができるようになるからいいですよ。あと勉強になったものとして、創薬ベンチャーのインターンもいきました。
-進路は、創薬ベンチャーとは迷わなかった?
非常に興味はあったんですが、新卒で入るのは難しかったんです。
-他のインターンには行きましたか?
いくつか行きました。開発のインターンはなかったですが、修士1年の4,5月くらいからインターンを探していて、他社のMR向けインターンに夏・秋・冬それぞれ1社ずつ参加しましたよ。インターンは、MR向けか社会人基礎力がメインです。小野薬品も今年はやっていますよ。他社でも最近参加できる機会が多いですね。製薬メーカー以外だと、CRO(医薬品開発業務受託機関)の企業でもインターンを経験しました。
辛いことがあったときにがんばれるか否か
-インターンシップを通じて感じた、製薬業界の魅力はなんですか?
上に書いた通り、動きの激しい業界であることです。だから面白い。
あとこれは仕事観になりますが、辛いことがあったときにがんばれる、と思える業界であること。「こういう人の役に立ちたい」とか「自分の興味でこういうことがやりたい」と思えること。これが働くにあたって重要だと思います。バイトでは辛いことがあっても、そこまでがんばろうって思えることってないですよね。でも、社会人になったら辛いことがあっても乗り越えなきゃいけない。それならば、辛いことがあっても頑張れる業界、つまり自分を成長させたいと思える環境であることが重要ではないでしょうか。
昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分
-12月は何を?
マイページ登録に追われていました。個人的に、企業ページから直接登録したいというこだわりがあったので、労力はかかりましたね(笑)。企業研究自体は既に3年次である程度終わっていたので、合同説明会はいきませんでした。代わりに、早めに開催されていた説明会に参加していました。あとは1月、2月に向けての準備ですね。マイページの情報をExcelでまとめたりとか。あとは自己分析。自分の強みを洗い出していました。
-1月
CRO業界の説明会に行きました。あとは就職セミナー(面接等のスキルアップ)、学内の面接セミナー、自己分析を引きつづき行っていました。それと外資系製薬企業のインターン。インターンは絶対的に経験した方がいいですよ。意識が高い優秀な人が多くて、多少なりとも劣等感を感じ、自己の成長に繋がる。就活は常に成長を意識することが大事です。『昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分』です。
初めから絞らない。まずは“感じて”みることをお勧めします
-2月
説明会&ESラッシュでしたね。
個人的に言えば、2月のポイントは、“説明会をどういれるか”。ESの〆切は変えられないので、説明会をどこに入れるかが鍵です。
次にどこにESを出すかですが、自分は「数打つ」タイプでした。興味のあるところはすかさず出していました。もちろん第一志望群があって、それぞれ優先順位はありましたが、製薬業界で活躍している企業にはできるだけアプローチしていきました。
製薬メーカーごとの強みや特徴は把握できたのですが、CRO業界の企業ごとの特徴が分かりづらかった。でも、実際に説明会などに行ってみると、どういう強みがあるのかや会社のコンセプトが分かりますし、何よりもまず会社の雰囲気を感じられますからね。なので、初めから絞ることはおすすめしません。受けながら絞ることをお勧めしますね。
-3月
大手とか中堅以上の会社は2月いっぱいでESがだいたい締め切られます。3月からは大手の製薬会社のES締切が多かったです。あとは、それ以外の会社の説明会で忙しくて、3月前半は紙媒体でのESが多くて苦労しました。説明会もちょいちょい入りつつ、ESの結果が本格的に帰ってくるのが4月なので、3月最終週はお休みの週にしていました(笑)。
面接の逆質問は、自分の思いをつくってから。
-4月
面接の月。この段階で、どれくらい面接プロセスに進めるかが分かります。その中で優先順位が高い会社の中期計画を読みこんで、現状を把握していました。こういう下準備をしていると、質問材料になる。最後の質問などで「自分はこう思うけど、どうですか」と訊ける。「自分はこう思う」という部分がとても大事です。自分の意見がなければ、質問の意図が伝わりませんから。
具体的に何がやりたいかという部分まで落とし込むことが大事
-今の企業に行くまでの道のりは?
4月の時点で、内定と内定辞退の攻防戦でした。まず4月にCRO1社に受かったんです。そして、外資系製薬で社風のマッチしていた企業のMRに受かった。もともとMRより開発職がやりたかったんですが、この時受かった企業ならばMRとしてやっていけるという確信もありました。このとき一度はMRになる覚悟をしたのですが、この後、小野薬品の開発職に受かったんです。
-CROとメーカーの開発職の違いは?
治験のプロトコル、治験のデザインはメーカーが行い、そのプロジェクトにCROの開発マンが参加します。なので、製薬メーカーの開発向きなのは、将来的に治験のプロトコルを組み立てたり、治験のデザインまでやりたい、あるいはものごとを自分で考えて発信したい人。決められたルールに従って正確にものごとを進めるのが得意、あるいはCROはプロジェクトごとにクライアントが変わるので、色んなところに行って仕事をしたい人はCROの開発向きですね。メーカーのいいところは、自社製品を持てること。CROのいいところは、プロジェクトが短いスパンで変わる分自分が携わった薬剤が上市されるのを実感できるかもしれません。メーカーで働くと、導入品を除けば自社製品に限られるため、自分が携わった薬剤が上市されるのを実感できる人はかなり稀なことが多いです。
-臨床開発についての勉強は行いましたか?
開発に関する知識ってのはセミナーで補った部分もありました。薬学部の人が学校の講義で学ぶことを、理系の学生は自分で補わなければいけない。ベンチャーのインターンで臨床論文(※臨床試験のデザインの方式が書いてある論文)を読んで、知識不足を痛感しました。とはいえ、創薬ベンチャーでこれを経験したのが4月ですから、それでもなんとか今の企業に受かったわけです。
知識というよりも、製薬で、そして臨床開発で、さらにその中で何がやりたいか(例:企画・モニタリング・DM・統計解析・薬事)を考えることが大事だと思います。臨床開発と一口に言っても、何をやるかは違いますからね。
-ありがとうございました。
